ピンク色の日本酒の造られ方
日本酒は醪(もろみ)の状態から絞られ、濾過されることによって徐々に透明に近づいていきますが、日本酒には「ピンク色のもの」が存在するのをご存知ですか?
ピンク色になる原因は原料によって違いますが、着色料等は使っておらず、自然由来のものです。
①ロゼワインのような、透明なピンク色をした日本酒
透明なピンク色の日本酒は主に使用原料に由来するものです。紅麹(麹菌の一種)を使ったり、古代米を使って造られます。
②イチゴミルクのような濁ったピンク色タイプの日本酒
濁り酒の不透明なピンク色のお酒は「赤色清酒酵母」を使用して造られたものです。
清酒酵母とは 酵母はパンを発酵させたり、味噌や醤油が作られる際にも使用される、微生物のことを指します。 この様々な種類の酵母の中で、日本酒を造る時に使用される酵母を「清酒酵母」と言います。 酵母は微生物なので肉眼では見えません。清酒酵[…]
※赤色酵母を使用したピンク酒は濁り酒がほとんどですが、最近は赤色酵母を使用していても透明ピンクなお酒も見かけるようになりました。
赤色酵母が赤色になる原因
酵母の色は通常、乳白色たクリーム色ですが、赤色酵母は赤色。アデニンという、核酸を構成する一成分が造れなくなった酵母菌の事です。
ADE1という遺伝子情報欠落しているため、酵母に必要なアデニンが作られません。途中で合成反応が止まってしまうところで5-アミノイミダゾールリボシドという酵素が蓄積されて、更にこれが重合反応して赤いポリリボシルアミノイミダゾールになります。
濁り酒タイプのピンクも酵母由来の赤色であって、着色料を使っているわけでは無いんです。
造り方も、他の日本酒と醸造方法は同じです。
ボトルは綺麗なピンク色の液体がよく見えるような透明ボトルか、薄ピンクのボトルが多いですね。
それに合わせてラベルもピンクや桜のデザイン、なんていう可愛らしいものもあって、インスタ映えしますよ。
ピンク色の濁り酒は春先に造られ、火入れをしないまま出荷されることが殆どです。