元きき酒師の日本酒講座と育児お役立ち情報ブログ

立春朝搾りっていつ飲むの?通販でも購入できるの?

立春朝搾りはキング・オブ・搾りたて!

日本酒には「立春朝しぼり」という季節限定のお酒があります。名前の通り、立春である2月4日に出荷されるのですが、このお酒はなんと絞ったその日に飲むことが出来る、特別な日本酒です。

はてなのカエル
けろりん
どうして当日に飲むことが出来るの?

通常の日本酒は出来上がっても数か月~半年ほど貯蔵されるのでまだ市場には出回りません。
この貯蔵期間を置かないのが絞りたて新酒ですが、通常の新酒でも滓引き、瓶詰めなどの作業で店頭に並ぶまで早くても1週間程かかります。
この作業を立春の日に全て行うのが「立春朝搾り」です。

 

笑顔のたま先生
たま先生
立春朝搾りは「2月4日に絞って出荷する」ことが決まっている日本酒。ですのでベストな仕上がり状態を2月4日に調整するために、杜氏さんが非常に神経を使います。
ほほーのかえる
けろりん
搾る日が決まってるから、仕上がりが早すぎても遅すぎてもダメなんだね。
でも通常店頭に並ぶのに1週間かかるものをその日中に出荷って…可能なの?
汗をかくたま先生
たま先生
ですので、日付が変わった真夜中に絞り始め、大急ぎで瓶詰めを行います。蔵元さんはこの日は夜通しの作業な訳です。
しかめっ面のカエル
けろりん
…ブ、ブラックだね。。

 

当然それでも作業的に人手が足りないので、瓶詰めが終わった瓶にラベルを貼るのは蔵元近くの酒販店の方達。

立春朝搾りのラベルは特別で、どこの銘柄も大体こんな感じになってるのが特徴です。

立春朝搾りラベルサンプル

 

ほほーのかえる
けろりん
なんか御朱印みたいでかっこいいね!

出荷前の作業が終わると、蔵元さん、作業を手伝った酒販店さんと共に近くの神社でお祓いが行われます。そのお酒を消費者である私達が店頭で直接受け取ることが出来る、縁起の良いお酒なのです。

このように絞ったらすぐに瓶詰めをして出荷するため、立春朝搾りは火入れ無し加水無しの生原酒。フレッシュな香味と躍動感のある味わいが楽しめます。

立春朝しぼりは酒販店が直接、蔵から注文分を運び出す訳ですから数は限定的です。更にその蔵元近郊の酒販店でしか購入できません。私達消費者は基本、予約注文が必須となります。

立春朝しぼりはどうやったら手に入るの?

1.銘柄はこだわらないから立春朝しぼりなるものを飲んでみたい!場合

①日本酒名門協会公式サイトから酒販店に予約を申し込む

日本酒名門協会公式サイト

上記は日本酒名門協会のサイトです。蔵元、酒販店、そして私達消費者をつなぐ様々な活動をされている組織です。こちらの組織はまさにこの立春朝搾りのプロジェクトを立ち上げた組織。予約受注できる日本酒が出来ないか?という企画から生まれたものなのです。

こちらからその年の朝搾り取り扱い店情報を入手できます。お住まいの都道府県のリンクに立春朝搾りに参加する日本名門酒会加盟の酒販店情報が掲載されています。

そこに問い合わせて、予約枠があれば予約できます。(私はイチ消費者であって、この組織の回し者ではありません笑)立春当日に入荷があるので直接取りに行きます。

また、ご近所に日本酒を多数扱ってる酒販店があれば、秋口~1月までくらいに直接来店して、「立春朝搾りの取り扱い予定はありますか?」と訪ねてみるといいでしょう。

②総合オンラインショッピングサイトで探す

アマゾンや楽天市場で酒屋さんが立春朝搾りを取り扱い、予約を行っているところもあります。発送はしてくれますがどうしても翌日以降になってしまうので、立春その日中に飲みたい!ということであれば酒屋さんに直接予約し、取りに行くのがいいでしょう。

ナホ
ナホ
私も本当は近場の酒屋で予約したかったですが2歳児がいて自由が利かないので、今年はオンラインで頼みました。

 

※今年(2021年2月6日着)の立春朝しぼりは賀茂泉をセレクト。甘めの飲み口、しっかりした濃いめの味ですが酸が切れており、疲れることなくスイスイ飲めました。

立春朝搾り

 

2.欲しい銘柄が決まっている場合

「○○の銘柄が好き!」等、お気に入りや気になるお酒があるのであれば、その蔵元さんのサイト情報を直接確認してみましょう。

立春朝搾り予約開始~締め切り日、取り扱い店舗情報等が載っているはずです。
また、遠方の酒販店しか無く、商品を取りに行けない場合は送料はかかってしまいますが発送もしてくれます。

 

立春朝搾りは繊細なお酒で賞味期限も短め。怪しい通販サイトやオークションサイトでは買わないこと

私は今年はオンラインにて、立春朝搾りを予約注文しました。
…が、他のお酒にも言えることですが、信頼のおけない通販サイトから日本酒を買うのはおすすめしません。

販売サイト情報を見て、日本酒を取り扱っている専門の酒販店、または生酒をきちんとクール便で発送してくれるところを選ぶようにし、発送の仕方等に不安な点があるようなら問い合わせ、もしくは買わないようにしましょう。

日本酒は光や温度に影響を受けやすい、非常に繊細なお酒です。特に立春朝搾りは火入れも貯蔵もしていないため、品質が不安定です。届き次第、冷蔵庫で保管し、早めに飲んでしまいましょう。

一番NGなのが個人が出品しているオークションサイト等の日本酒
「もらったものですが。。」「…部屋にずっと置いてあり、飲まないので」などと平気でコメントしている方もいます。
立春朝搾りなどもちらほら出店されていますが、写真がどうみても部屋の中。「未開封です!」と書かれていますが温度管理はどうなのでしょう?蛍光灯の下にずっと置いていたんでしょうかね。

中には生酒なのに「クール便ではありません」なんて出品コメントも。。そんな扱いをされたお酒、リスクを負って、お金払って飲みたいですか?

ちょっと批判的になってしまいましたが、日本酒、特に立春朝搾りは出来立てのフレッシュ感を楽しむためのお酒です。
日本酒の取り扱いが分かっていないような個人から購入するのはやめましょうね。