なぜ日本酒で悪酔いすると言われるの?
日本酒は悪酔いするという声をよく聞きます。
確かに日本酒のニセモノである合成酒を飲むと、糖類や酸味料等の添加物が入ってるので頭が痛くなる可能性が高いです。
でも、そもそもの一番の原因は日本酒のアルコール度数が高いにもかかわらず、たくさん飲んでしまっていること。
日本酒はビールと比べてアルコール度数が大体3倍くらいあります。
ビールのアルコール度数=約5%
日本酒のアルコール度数=約16~17%
これだけアルコール度数が違うのにビールと同じ感覚でガバガバ飲んでいたら酔っぱらうのは当然です。
しかも日本酒は小さいグラスや徳利で注がれることが多いので、くいっと一気に飲んでしまいがち。
焼酎はもっとアルコール度数が高いですが、水割りにしたり氷を入れたり割って飲むことが多いので、実質的なアルコール度数は下がっています。
でも日本酒やワインなどの醸造酒はアルコール度数が高いのにそのまま飲むことが多いお酒です。
アルコール度数が高いお酒をストレートで飲み続けたら…当然酔っぱらいますし、身体に負担もかかります。
大量のアルコールが体内で分解しきれず、翌日に残ってしまう訳です。
やわらぎ水を一緒に飲もう!
お酒に強い人ほど、日本酒を飲むときに水を一緒に飲まない傾向があるような気がします。
「自分はお酒強いから水無しで大丈夫」「水を一緒にお酒を飲むなんてかっこ悪い」と言う人も…
はっきりいいます。日本酒を飲む時、水を一緒に飲まない方がかっこ悪いです。
日本酒を飲む時は「水とセット」で注文することが基本です。
日本酒と一緒に飲むお水の事を「やわらぎ水」と言います。
名前の通り、強いお酒を飲む時のアルコールを「和らげる」ためのものです。
日本酒専門店であれば、積極的にお水を持ってきてくれますし、お酒を造る時の原料となる仕込み水を出してくれるところもあります。
お酒を飲んだ後や翌日、異様に喉が渇くこと、ありませんか?
お酒という水分を取っているのに喉が渇く現象。
これはアルコールを肝臓で分解する時、体内の水分が奪われているからなんです。
アルコールを摂取するからトイレも近くなり、更に水分は出ていきます。
翌日に顔や身体がむくむのは水分の摂りすぎでなく、むしろ脱水症状で水分が足りなくなり、体内の老廃物を流せなくなったから。
そこで水を補給しながら飲むと、アルコール分解を手助けしてくれ、脱水症状になるのを防いでくれます。
日本酒屋さんでお酒を頼むときに「お水をください」という代わりに「やわらぎ水ください」と頼めば、「おっ、飲み方分かってるな」と思ってもらえますよ。
普通の居酒屋さんでは「お水をください」でOK!です。その際は氷を抜いてもらって常温でもらいましょう。
冷たいお水を飲んでいると酔いが回るのが遅くなり、自分の許容範囲以上の量を飲んでしまいがちです。
水だけでなく、冷たい日本酒も同様にアルコールが体内で温められた後に吸収されるので、酔いが回るスピードがゆっくりです。
…ということは、「まだいける!」と思って次のグラスを頼んだ時にはすでにキャパオーバー、ということが多い訳です。
私も日本酒にハマったばかりの時は色々な種類が飲んでみたくて、水も飲まずにぐいぐい飲んでしまい、翌日ダウンしたことが何度もあります。
逆に温かい日本酒(ぬる燗、熱燗)を飲む方が酔いが回りやすい、と言います。体温に近い方が、アルコールが血中を巡るスピードが速いので、飲んですぐほろ酔い気分になります。いつも量を飲ん見過ぎてしまう…という方は燗酒に切り替えてみるのもおすすめです。
燗酒にせよ、冷酒にせよ、どのくらいで酔いがまわって来るのかは個人差があります。体重から自分のアルコール摂取許容量を割り出す方法もありますがあくまで目安。
特に女性は自分で決めた線引きにかかわらず、生理周期や体調の具合に酔いも左右されやすいです。「日本酒の酔いは30分遅れてくる」と肝に銘じ、ある程度飲んだらしばらくは、やわらぎ水だけで休憩をはさむといいでしょう。
日本酒は口当たりが優しいのでついつい量が進んでしまうタイプも多いです。
お酒が弱い人は「泡盛をストレートで飲んでいる」くらいに警戒し、しっかりお水を摂取してください。
やわらぎ水は日本酒と同量もしくは1.5倍くらい飲むといいです。
また、日本酒は温度によって味や香りが変わります。ほんの10分くらいの間に、冷たい日本酒が室温で暖まり、味が丸くなったり、香りが華やかになったりするんです。
すぐにクイっと飲んでしまっては温度変化による味や香りの変化も味わえずもったいないです。
アルコールに強い人ほど、スピードを出して飲みがちです。
どうしてもスタートダッシュがやめられない人は日本酒の前にビールを飲んで、気持ちを落ち着けるといいですよ(笑)
温度変化を楽しみつつ、水分をしっかり摂り、ゆったりとした気持ちで日本酒を楽しんでみてください。