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普通酒は特定名称酒に比べると美味しくない?

特定名称酒には原材料やお米の磨き量によって条件があることをご紹介しました。

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特定名称酒の条件

条件をクリアしていれば、それぞれあてはまる部類の特定名称酒を名乗れます。

ただ、条件をクリアしていても特定名称酒を名乗る義務はないので、名乗らなくてもいいんです。
特定名称酒の規格から外れている、または名乗っていなくても美味しいお酒はたくさんあります。

最近は醸造技術が上がってきていて、ものすごいお米を削ったり、製法にこだわったりする蔵元さんも増えてきています。
そうすると、コンセプトが「8種類のどれにも当てはまらない!」というお酒も登場してきます。

特定名称酒クラスなのに普通酒扱い、もしくは名乗っていないお酒たちの一例

特定名称酒クラスなのに普通酒扱いのお酒

木下酒造
【玉川 山廃雑酒白ラベル】
旭酒造
【獺祭等外】
菊の司酒造
【非公開】
アルコール度数が22%以上。清酒を名乗れる度数を超えているため、清酒を名乗れず、分類は雑酒扱い。 特定名称酒の条件である「米の等級3級以上」を満たしていないので普通酒扱い。 アルコール度数と原料以外すべて非公開。原材料情報無しで純粋に味わってみてほしいとのコンセプトで造られている、ユニークな日本酒。QRコードにアクセスして唎酒に挑戦できる。

木下酒造 玉川 山廃雑酒白ラベル

木下酒造の【玉川 山廃雑酒白ラベル】は特定名称酒どころか、「日本酒」とすら名乗れないお酒になっています(笑)これはアルコール度数が22度を超えてしまったお酒だからです。

アルコール度数が22度以下でないと清酒(日本酒?)と名乗れません。
雑酒分類ですが「山廃」という自然界の乳酸菌を取り込むという手間のかかった、れっきとした日本酒造りから出来上がったお酒です。

旭酒造 獺祭等外

例えば有名な旭酒造の「獺祭」には【獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分】という商品があります。名前の通り、精米歩合は23%でなんと77%を削っているタイプの物です。

純米大吟醸は50%磨かれていればOKですが、その磨きレベルと23%をひとくくりにするのも違和感がありませんか?

同じ獺祭シリーズには【獺祭等外】という商品があり、原料である酒米が等外です。
特定名称酒の条件では米の等級は3級以上でないといけません。

お米の等級は1等、2等、3等、規格外で格付けされています。
粒が整った形をしているか、透明感や色艶、虫食いの有無などで判定されます。

酒米が規格外であるこのお酒は特定名称酒を名乗ることが出来ないので「普通酒」扱いです。
にもかかわらず、等級は等外ですが使用している米は酒米の代表格の山田錦。
さらに30%にまで磨いているので中身は純米大吟醸クラスです。

品質は純米大吟醸とレベルなのに普通酒扱いなので、価格が安い。とてもコストパフォーマンスの良いお酒なのです。

菊の司酒造 非公開

特定名称酒分類がラベルにかかれていると、日本酒好きなら良くも悪くも「ああ、こういうタイプの味だろうな」という想像をしてしまいます。

最近は先入観無しで飲んでほしい、と、あえて特定名称酒を名乗らない蔵元のお酒もあります。

こちらの「非公開」と言うお酒。クイズ形式になっていてスペックはなんにも分からない(笑)

面白い試みですよね。

上記の蔵だけでなく、他の蔵でも特定名称を名乗らないお酒を出しているところもあります。
これは普段から高品質なお酒を造ることに大変こだわっており、特定名称酒に縛られずに味わってほしいという願いと自信の表れでもあるのでしょうね。

このように特定名称酒だけににこだわっていては安くておいしいお酒を見逃してしまいます。
と、言っても原材料に糖類や酸味料等が入っているパック酒等の合成酒はオススメしません。

特定名称酒以外の美味しいお酒を探すなら日本酒をたくさん取り扱っている酒屋さんで探してみてください。

精米歩合の値が低い(60%~40%とか)等、特定名称酒の条件を満たしているにも関らず「吟醸」や「純米吟醸」等と書かれていないラベルを見つけてみてください。
お店の人に「これはどうして特定名称がついていないんですか?」と質問してみると、蔵元のこだわりエピソードが聞けるかもしれません。