日本酒は未開封であれば基本、賞味期限はありません。ただ、「美味しく飲める期間」は存在します。
そして火入れのお酒より、生酒の方が酵母が生きている分、味が変化しやすいです。
「美味しく飲める期間」が長いか短いかというメッセージのひとつに、ボトルの色の違いがあります。
お酒が劣化してしまう原因には温度変化の他、紫外線や日光等、光によるものがあります。光による劣化によって発生する臭いを「日光臭」または「ひなた臭」と言います。
また、太陽光の下に置くと短時間で着色してしまいます。
この光の影響を受けやすいか受けにくいかが、瓶の色で変わるのです。
日本酒が入っている瓶の色は茶色、深緑色、薄緑色、紺色、水色、透明などがありますが、茶色い瓶は他の色の瓶に比べて紫外線の影響を受けにくいのです。
光の影響を一番受けにくいボトルの色の順
①黒瓶
②茶瓶などの褐色系の瓶
③深緑色
④薄緑色等の緑の瓶
となります。
透明な瓶や曇りガラス状の瓶はほぼ光を通してしまうので、品質変化の影響をダイレクトに受けてしまいます。反対に黒や茶褐色系の瓶は紫外線の影響を受けにくいため、長期保存していても品質が安定しやすい本醸造系や熟成酒のボトルに使われる事が多いです。
ブルーや透明のボトルは元々長期保存すると想定していない生酒タイプのお酒によくみられます。
新酒の時期になると、搾りたてのお酒で滓(おり)(※日本酒を絞った後に残る白い沈殿物)が含まれているお酒もたくさん出回ります。透明ボトルから雪のようにちらちら除く滓が綺麗ですよね。
これらは濁り酒と呼ばれるタイプのものですが、絞った後、滓引きも火入れもせずにそのまま瓶に詰めたものなので酵母がまだ生きており、品質が不安定です。
品質が変化しやすいから早めに飲んでね、のメッセージともとれる訳です。
もちろん遮光性目的のためでなく、「夏酒など涼し気な印象するため」とか、上述のように「沈殿している滓が見えるように透明ボトルにしている」などデザイン性重視で透明ボトルに入っているお酒もたくさんありますが、光の影響を受けやすいことには変わりありません。
せっかくの美味しいお酒、ベストな状態で飲みたいですよね。水色ボトルや透明ボトルに入ったお酒はすぐに冷暗所に保管しましょう。
ラベルの色から読み取る、保存方法のメッセージ
火入れ酒で茶褐色系のボトルに入っている
→常温保存でOK
火入れ酒で緑色系のボトルに入っている
→室内のなるべく光が当たらない場所なら常温でOK
ただし、常温で長期間保存すると、熟成が早く進み、熟成香が出てきます。
吟醸酒系のお酒で香りを楽しみたい!ということであれば吟醸の香りが熟成香に負けてしまうので、冷蔵保管がオススメです。
火入れ酒で青色系のボトルに入っている
→常温でも大丈夫だがなるべく新聞紙等にくるんだ方がよい
1回火入れ酒や生酒
→無条件で冷蔵庫へ
透明ボトル入ったお酒 生酒が殆どのはずです。すぐに冷蔵庫へ入れましょう。
購入した日本酒ボトルの色を見て、保管・管理する際のひとつの参考にしてみてください。