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酒米と食用米の違いってなんだ?

日本酒はお米と水から造られます。前回は水の違いについて書きましたが、今回は原料となるお米について。日本酒造りに使用されるお米は食用米とは少し違うんです。

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水の違い、男酒、女酒ってなんだ?

 

笑顔のたま先生
たま先生
日本酒造りに使用される原料米は「酒造好適米」という、お酒造りに適したお米が使用されることが多いです。
お米には代表的な成分が5つあり、目指すお酒のタイプに合わせて、お米を削ります。

お米の主な5成分

お米の構造

①炭水化物(お米の成分中70~75%)

  • 米に含まれるでんぷんのこと
  • 麹菌が このでんぷんを分解して糖(ブドウ糖)になる
    →この糖は酵母菌のエサになる

②タンパク質(お米の成分中7~8%)

  • 糠層や胚芽に多く含まれる
  • 麹菌が分解してアミノ酸になる
  • 日本酒の旨味の要因になる
笑顔のたま先生
たま先生
大吟醸はこの旨味のもとになるたんぱく質部分を削っているため、すっきりした味になります。

③脂質(お米の成分中2%)

  • 糠層や胚芽に多く含まれる
笑顔のたま先生
たま先生
脂質は不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸で構成されてきて、特に不飽和脂肪酸は酵母が香り成分を生成するのを阻害してしまうんです。不飽和脂肪酸は米の内部ほど、比率が少ないので精米する事で減っていきます。

④灰分(ミネラル分)(お米の成分中1%)

  • カリウム、リン、マグネシウム、カルシウムの4成分があり、微生物の生育に必要

⑤ビタミン

  • 胚芽部分に多く含まれる
  • ビタミンやミネラルは発酵を促す作用がある

 

なるほど!のカエル
けろりん
大吟醸酒や吟醸酒は米の外側部分に多く含まれるたんぱく質や脂質部分を削るから、すっきりした味わいになるのかー。
笑顔のたま先生
たま先生
削ることで脂質が減る(=香り成分を邪魔する成分が少ない)から、吟醸酒はフルーティな香りがするものが多いんです。
反対にしっかりした味わいの日本酒が飲みたいなら、お米をあまり削っていないタイプがオススメ。アミノ酸由来のコクがあるから飲みごたえがありますよ。

酒米と食用米の違い

冒頭で「お酒造りに適したお米が使用されることが多い」と書きましたが、もちろん食用米で造られた日本酒もあります

じゃあなぜ酒米と食用米の2種類が存在するのか?ですが、酒米は文字通り、酒を造るためのお米で、酒造り用に品種改良されたものを言います。

酒米の特徴としては

  • 粒が大きい
  • 心白が大きい
  • 削っても割れにくい
  • 麹菌糸が食い込みやすい

などがあります。

食用米と酒米の違い

 

ほほーのかえる
けろりん
食用米より酒米の方が大きいんだね。

 

日本酒は削って使用する事が前提です。
普段私達が食べている白米はせいぜい10%くらいですが、日本酒は大吟醸を名乗ろうと思うと50%以上削らなければなりません。少しづつ削っていくのですが、その間の摩擦に耐えられる大きさと強度が必要となります。

 

はてなのカエル
けろりん
じゃあ心白が大きいっていうのは?そもそも心白って何?

 

笑顔のたま先生
たま先生
心白とはお米の中心に見える、白く濁った部分のことです。普通の食用米でもわずかですが肉眼で確認することが出来ます。黒い台紙の上に載せてみると見つけやすいですよ。

 

心白に含まれる成分にはでんぷんが多く、雑味になる成分が少ないため、お米の周りを削って心白のみを削りだすことで、すっきりとした味のお酒に仕上がります。

また、心白部分は隙間が多く、柔らかいので麹の菌糸が奥まで入り込みやすいため、強い糖化力をもった米麹になります。(麹菌がでんぷんを糖に変換しやすい)

食用米は粒が小さく、心白も少ないため、周りを削って心白にたどり着く前にお米が割れてしまう可能性があります。
ただ、精米技術が上がった現在では、食用米でも半分まで削れるようになりました。

扁平精米、という新しい削り方

また、扁平精米という削り方で削っている蔵元さんもあります。

心白部分を多く残すためにお米を削る訳ですが、お米の形は縦長の楕円なのに、丸く削ってしまうと上下部分をたくさん削らなければなりません

そこでお米の形と同じ楕円形に削る事によって雑味部分を効率よく削り、心白のみを残すことが出来ます

通常精米と扁平精米

扁平精米で精米すると40%削り(精米歩合60%)=60%削り(精米歩合40%)と同等のすっきり感が出せると言われています。

削り技術や割れにくいお米の品種改良によって、最近は地元のお酒は地元の米を使って差別化する蔵元さんも増えています。

食用米と酒米の違いが分かったところで次回は代表的な酒米を見ていきましょう。

笑顔のたま先生
たま先生
お米の味の特徴を覚えておくと、また日本酒の世界が広がります♪