「号」という表記はタンク番号のこと!
日本酒の裏ラベルや表ラベルに「号」という表記を見かけることがあります。これは「タンクの番号」を表しています。
日本酒は通常いくつものタンクで造られます。そしてタンクそれぞれ個体差があります。
基本は貯蔵し終わったタンク内のお酒は味が均一になるように混ぜて調合されるのです。
日本酒はタンク内の酵母の頑張り具合、またはタンクの位置によって湿度や温度の違い等があるため、味に微妙な差が生まれます。(蔵の奥にあるタンクと蔵の出入り口側に置いていあるタンクは気候条件が違う、等)
通常の日本酒はこのタンクの個体差をなくすために、混ぜて平均化しています。
逆に「号」と書かれているものは個々のタンクの日本酒を混ぜず、タンク個別のお酒そのもので出荷したもの、という意味です。
タンク個別の商品として有名なのは喜久盛酒造のタクシードライバーですね。
タクシードライバー(喜久盛酒造)
名前もラベルも一度見たら忘れられないインパクトのあるお酒ですが(笑)、この日本酒はタンクの平均化を行っていません。ラベルには小さいですが、「仕込み●号」という表記があります。
タクシードライバーはタンク個々の味の違いを楽しめるお酒なのです。
タンク番号表記はどういう順番で付けられている?
酒蔵にはいくつもお酒を造るための仕込みタンクがあります。大きい酒蔵さんほどたくさんのタンクがあり、そのひとつひとつに番号が振られています。そしてそのタンクに順番にお酒を仕込んでいきます。
更にラベルにかいてある「号」には二種類の意味があります。
タンク番号=仕込みタンクそのものに書かれている番号
仕込み番号=醸造年度内でのタンクの仕込み順を数字で表した番号
黒龍 八十八号(黒龍酒造)
また、タンク番号そのものをラベルにしているお酒もあります。
黒龍シリーズの、お酒の名前にもなっている「八十八号」。こちらはタンク番号を表しています。品評会で金賞を受賞した時のお酒を仕込んだタンクであり、縁起の良い番号ということで名前に使用されています。「出来の良いタンクの中のお酒をいったんこの八十八号タンクに集めたお酒」となっているそうです。
また、通常のお酒は混ぜて平均化しているけれども、常に出来の良いタンクがある場合等は「○○号タンク仕込み」と他商品とは区別して、タンク個別商品として販売している蔵元さんもあります。