日本酒の味は酒米と酵母の組み合わせで決まる!
特定名称酒で多く使われる、メジャーな酒米の特徴はこちらの記事に書きましたが、
前回の記事に書いたように、酒米は食用米よりも日本酒造りに適しています。 [sitecard subtitle=関連記事 url=https://anz-shop.com/differenceof-sakerice-and-edible[…]
酒米の特徴が分かるようになると、「山田錦らしいいい香り」とか「雄町っぽいしっかりした味わい」なんてウンチクも楽しくなります。
じゃあそのお米を使った日本酒は全部同じタイプの味になるのか?と言うとそうでもないんです。
かと思えば、「オマチスト」なんていう雄町米使用のお酒が好きな人もいるし…酒米の味の違いは影響するの?しないの?どっちなんだろう?
酒米の代表格の山田錦は華やかな香りが出やすいのが特徴ですが、「あれ?山田錦100%って書いてあるのにそんなに香りも無くすっきりした印象だな」なんてことも多々あります。
確かにお米にはそれぞれ特徴があり、味や香味に影響しやすいですが、それだけで味は決まりません。
日本酒は発酵して出来るので酵母が重要な役割を担っています。この酵母もたくさんの種類があり、やはりそれぞれ特徴があります。
清酒酵母とは 酵母はパンを発酵させたり、味噌や醤油が作られる際にも使用される、微生物のことを指します。 この様々な種類の酵母の中で、日本酒を造る時に使用される酵母を「清酒酵母」と言います。 酵母は微生物なので肉眼では見えません。清酒酵[…]
酒米と酵母。このふたつの関係を人間で例えるなら…
酒米=体形や顔等、生まれつき持っているもの
酵母=ファッションやメイク
になるでしょうか。
人間はひとりひとり、顔の造りや雰囲気が違います。
でも着る服や髪形で長所を活かしたり、コンプレックスを隠したりできますよね。
例えばひとりのモデルさんがいて、彼女の仕上げたいイメージに持っていくのがスタイリストさんだったり、ヘアメイクさんです。
対象者の雰囲気を判断して、長所をアピールしたり、まったく違う雰囲気に変身させるプロフェッショナルです。
この関係性を日本酒に当てはめると…
モデル(酒米)の特徴を掴んだ上で、仕上がりコンセプトに合う様に酵母(ファッションアイテム)を選択するのが杜氏さん、となります。
「この酒米は溶け出しやすく、辛口に転びやすいから発酵力の弱い酵母を使おう」とか「お米の香りを最大限に引き出したいから、香りの出やすい酵母を使おう」など、仕上がりをイメージして組み合わせるんですね。
こんな風に、酒米はそれぞれ持って生まれた特徴はありますが、酵母を替えたり組み合わせることで違った味わいの日本酒になるのです。
黄金の組み合わせと言われた「YK35」とは
この暗号のような文言ですが、
Y【山田錦】
K【協会9号酵母】
35【35%磨き】
を表しています。
酒米は山田錦を使用し、35%まで磨いて協会9号酵母でお酒を造れば、品評会で高評価を取れる日本酒に仕上がる、と言われていました。
山田錦のお米の旨味と、35%まで磨いたすっきり感、そして9号酵母の華やかな香り…
つまり、「美味しくならない訳がない」黄金の組み合わせだったわけです。
新潟北雪酒造の【大吟醸 YK35】は商品の名前にもなっていて有名です。
今は酒米も酵母も増えてきているので、組み合わせも様々なものが出てきました。
地元産の酒米&地元産の酵母を使って地域限定感を出したり、特別感を強調した日本酒も多くなっている気がします。